土曜に秋葉原に行くついでに、ちょっと前に話題になった「自炊の森」に行ってきました。
自炊の森
http://www.jisuinomori.com/
「自炊の森」が店舗再開 大手出版社、自炊業者に対抗策も - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/20/news072.html
「自炊の森」は「違法とは言い切れない」 “自炊”めぐる業態に法的評価は未確定 - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/14/news046.html
Togetter - 「「自炊の森」問題」
http://togetter.com/li/83973
いいかげん本棚が大変なことになっているので、
それを解消する手立てとしての自炊の体験が目的です。
あいにく店の写真とかを撮ってなかったので
いまいちレポとしては不足な部分がありますが、使ってみた感想とかを。
○店内の雰囲気
そこらのネカフェよかはずっと清潔感あふれてます。
結構グレーな業態のお店なので、もちょっと怪しい店内を想像してましたが。
店の入り口はあきっぱで「見るだけでもOK!」って貼り紙があります。入るだけなら無料。
裁断済みの本が並んだ棚があり、ぱっと見、古本屋みたいな風情。
本は背表紙ないのでバラけちゃう危険がありますが、一応中身の確認も可。
置いてある本はコミックが多いですが、ビジネス書やコンピュータ書も3分の1くらいあり、
同人誌もあります。そのへんのエリアはことごとくR-18。
あと自炊用に成り果てた「定本 解析概論」とか置いてありました。
やはり理工系と自炊の親和性は高いようです。
秀和システムの「図解入門ビジネス 最新 著作権の基本と仕組みがよ~くわかる本」
が置いてあるのは何か意図があるのでしょうか。
○料金プランとか
無料体験プランとやらがあるらしいのでそれを頼みたかったのですが、
あいにく土日祝はやってないらしい。
でも重たい本を抱えて帰るのは嫌なので、お金を払って試してみることにしました。
まず、持ってきた本の計量と裁断をしてもらい、コースを選択して自炊作業にはいります。
料金が本の重量に比例するコース(100gあたり100円)と、15分につき1000円のコース。
土日祝は持ってきた本が1500g未満でも一律で1500円とられます。
あと裁断が1冊あたり80円。
このときはゲーム○ボ4冊と
「ソーシャルメディアマーケティング」という本を持ってきてました。
もちろん自分のお金で、ちゃんとした本屋さんで買ったものです。
裁断料は5冊で400円。
で、重量は狙ったように「1490g」だったので、重量比例制の料金で利用料が1500円。
締めて1900円です。
コース選択はお客が持ってきた本の量によってお得になるようにおすすめしてるようです。
○機材
パナのドキュメントスキャナが4台、キャノンのドキュメントスキャナが1台。
それが繋がったPCが用意されているという構成。
コミックの紙はキャノン、上質紙はパナと、紙質によりスキャナも使い分けがあるらしいです。
あと富士通(PFU)のがあるはずですが見かけなかった。気づいてなかっただけ?
このとき持ち込んだ本はすべてパナ向きということで、
Panasonic KV-S5055CN
http://kakaku.com/item/K0000123475/
こちらの機体を使いました。35万円か…
裁断機はスタッフ専用機で、万力で本を固定して背表紙をマミるタイプ。
お客に怪我をさせる危険を軽減するため、スタッフが動かしていると思われます。
○利用者
そこそこいます。
入ったときはパナのスキャナが埋まっており、ちょっと待ち時間が生じました。
みんな自分の本を持ち込んでスキャンしてるようです。
法経関連の分厚い本をスキャンしてる人、大量の紙媒体の資料をスキャンしてる人、
数研出版の「オリジナル」問題集をスキャンしてるたぶん高校生など、多様なお客がいます。
○作業のしやすさ
作業用のPCとスキャナの置いてあるブースは適度に広く、作業はやりやすいほう。
スタッフに聞けば、ひととおり作業のやり方は教えてくれます。
市販のスキャナ利用環境をPC上に整備してるだけなので、特別分かりにくいということもなく。
人の手が入る作業としては、本の表紙と本文のように、紙質が大きく変わるときに
スキャンするものをセットしなおす程度で、あとは機械がガチャコンやってるのを見てるだけ。
両面フルカラー300dpiでも、非常に高速にスキャンしてくれます。
ただ、裁断を人の手でやってるため、紙が真四角にならないです。
その結果、スキャン結果が多少斜めになってしまいます。
そこのところをこだわって真っ直ぐにしようとすると、
いろいろ設定したりで何回か繰り返してスキャンすることになります。
なので、自炊結果のクオリティにこだわる人は
重量比例のプランで納得するまで作業するのが基本のようです。
あと紙がくっついててスキャンがちょっと詰まって折り目がつくことも…
まぁそれでも、ちょっとがんばればそれなりに納得のいく結果が得られます。
スキャン結果は連番がついたjpgとなってフォルダにどんどん入っていきます。
pdf変換環境もあるので、pdfに変換して、手持ちのスマホのSDに入れて、
帰りの電車で自炊した本をスマホで読む、というスタイルが実現可能です。
○自炊結果
ゲー○ラボをマイれぐぽんに入れてみた結果。

ちゃんと読めるクオリティで電子化は出来てます。
300dpiで取り込んでいるので、細かいところまではっきり見えます。
ただ、300dpiにすると、pdfの癖にファイルサイズが100MB弱になってしまうので、
店舗で取り込むときに150dpiあたりまで下げるといいかもしれません。
その辺は店舗PCで簡単に調整できます。
○使ってみた感想
まず、100gで100円+裁断料の料金設定は正直高いです。
今回自炊した5冊は本棚の本の1%程度の体積なので、
今日やったので1900円なら、全部やることを考えると約200000円かかることになります。
中古を探せば、自炊の森が持ってるスキャナのひとつも買えそうです。
しかも、自炊の目的のひとつである
「紙媒体の本を電子化して、紙のほうは処分して自室の物理的空き容量を増やす」
を達成しようとすると、裁断してもらった紙媒体の本は
自炊の森に置いていくという選択になるわけですが、これは無償回収になります。
オクで自炊用書籍として売ってる例があることを思うと、余計割高な感があります。
(自炊用書籍の販売も問題はありですが。)
で、冒頭に挙げたとぅぎゃりでも問題ありと指摘されている、裁断済み書籍提供システム。
今回のウチの使い方は、
「自分で著作物の利用料を払った本を私的な利用のために電子化する」を目的に
「それをハイクオリティで行う機材を持っている業者に、機材を貸してもらって電子化した」
これだけなら私的利用の範囲といえなくもない感じですね。
自炊後の書籍は言い方が悪いですが、資源ゴミです。
ゴミを他人の家や土地に勝手に置いていくと問題になりますが、
自炊の森は裁断済みの書籍を「ここに入れてください」と表示した置き場所を設置しているので、
そこに置いていくことには問題ないでしょう。
自分で買った本を持ち込んでスキャンしてるだけなら違法性はなさそうです。
ですが、自炊の森店頭での裁断済み書籍販売は?です。
自炊の森が裁断済み書籍販売についてやってること自体は
「何らか印刷されている紙束を売ってるだけ」
「紙面をスキャンする装置を貸し出しているだけ」
とも取れるので、法的に問題ないのかもしれません。
ですが、紙束と装置を組み合わせた場合に予想される結果であるとか、
著作者が利益を得られる仕組みを与え、更なる著作の意欲を刺激し、文化の振興を促すという
著作権の意義をを考えると、
少なくとも著作者からの申し出なく、著作者へ印税相当のお金が入らないとおかしいように思われます。
絶版本じゃなくて、新刊できたてのコミックが在庫の中心でしたしね。
ただ「おかしいだろ!」という感情を抱くにとどまっており、
自炊の森がやっていることを分けて考えると、問題ないようにも捉えられてしまいます。
ここを捕らえるロジックが法のほうにないんだと思います。
この点、自分でオクで裁断済み書籍販売やって利益を得ても同様の話になっちゃいますね。
…まぁ、法的な話はウチがしてもエントロピーが増大するだけなので、この辺でやめときます。
とりあえず、今回の体験で自炊のやり方とか雰囲気は分かりました。
体験で得た結論としては、違法性とかどうとか以前に、高い。
今後しばらくは紙媒体の書籍も出版され、興味のあるものは購入すると考えると、
ランニングコストがかかりすぎです。
やるとすれば、機材のレベルでは劣るでしょうが自前の自炊環境を整える方向で検討ですねー
自炊の森
http://www.jisuinomori.com/
「自炊の森」が店舗再開 大手出版社、自炊業者に対抗策も - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/20/news072.html
「自炊の森」は「違法とは言い切れない」 “自炊”めぐる業態に法的評価は未確定 - ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/14/news046.html
Togetter - 「「自炊の森」問題」
http://togetter.com/li/83973
いいかげん本棚が大変なことになっているので、
それを解消する手立てとしての自炊の体験が目的です。
あいにく店の写真とかを撮ってなかったので
いまいちレポとしては不足な部分がありますが、使ってみた感想とかを。
○店内の雰囲気
そこらのネカフェよかはずっと清潔感あふれてます。
結構グレーな業態のお店なので、もちょっと怪しい店内を想像してましたが。
店の入り口はあきっぱで「見るだけでもOK!」って貼り紙があります。入るだけなら無料。
裁断済みの本が並んだ棚があり、ぱっと見、古本屋みたいな風情。
本は背表紙ないのでバラけちゃう危険がありますが、一応中身の確認も可。
置いてある本はコミックが多いですが、ビジネス書やコンピュータ書も3分の1くらいあり、
同人誌もあります。そのへんのエリアはことごとくR-18。
あと自炊用に成り果てた「定本 解析概論」とか置いてありました。
やはり理工系と自炊の親和性は高いようです。
秀和システムの「図解入門ビジネス 最新 著作権の基本と仕組みがよ~くわかる本」
が置いてあるのは何か意図があるのでしょうか。
○料金プランとか
無料体験プランとやらがあるらしいのでそれを頼みたかったのですが、
あいにく土日祝はやってないらしい。
でも重たい本を抱えて帰るのは嫌なので、お金を払って試してみることにしました。
まず、持ってきた本の計量と裁断をしてもらい、コースを選択して自炊作業にはいります。
料金が本の重量に比例するコース(100gあたり100円)と、15分につき1000円のコース。
土日祝は持ってきた本が1500g未満でも一律で1500円とられます。
あと裁断が1冊あたり80円。
このときはゲーム○ボ4冊と
「ソーシャルメディアマーケティング」という本を持ってきてました。
もちろん自分のお金で、ちゃんとした本屋さんで買ったものです。
裁断料は5冊で400円。
で、重量は狙ったように「1490g」だったので、重量比例制の料金で利用料が1500円。
締めて1900円です。
コース選択はお客が持ってきた本の量によってお得になるようにおすすめしてるようです。
○機材
パナのドキュメントスキャナが4台、キャノンのドキュメントスキャナが1台。
それが繋がったPCが用意されているという構成。
コミックの紙はキャノン、上質紙はパナと、紙質によりスキャナも使い分けがあるらしいです。
あと富士通(PFU)のがあるはずですが見かけなかった。気づいてなかっただけ?
このとき持ち込んだ本はすべてパナ向きということで、
Panasonic KV-S5055CN
http://kakaku.com/item/K0000123475/
こちらの機体を使いました。35万円か…
裁断機はスタッフ専用機で、万力で本を固定して背表紙をマミるタイプ。
お客に怪我をさせる危険を軽減するため、スタッフが動かしていると思われます。
○利用者
そこそこいます。
入ったときはパナのスキャナが埋まっており、ちょっと待ち時間が生じました。
みんな自分の本を持ち込んでスキャンしてるようです。
法経関連の分厚い本をスキャンしてる人、大量の紙媒体の資料をスキャンしてる人、
数研出版の「オリジナル」問題集をスキャンしてるたぶん高校生など、多様なお客がいます。
○作業のしやすさ
作業用のPCとスキャナの置いてあるブースは適度に広く、作業はやりやすいほう。
スタッフに聞けば、ひととおり作業のやり方は教えてくれます。
市販のスキャナ利用環境をPC上に整備してるだけなので、特別分かりにくいということもなく。
人の手が入る作業としては、本の表紙と本文のように、紙質が大きく変わるときに
スキャンするものをセットしなおす程度で、あとは機械がガチャコンやってるのを見てるだけ。
両面フルカラー300dpiでも、非常に高速にスキャンしてくれます。
ただ、裁断を人の手でやってるため、紙が真四角にならないです。
その結果、スキャン結果が多少斜めになってしまいます。
そこのところをこだわって真っ直ぐにしようとすると、
いろいろ設定したりで何回か繰り返してスキャンすることになります。
なので、自炊結果のクオリティにこだわる人は
重量比例のプランで納得するまで作業するのが基本のようです。
あと紙がくっついててスキャンがちょっと詰まって折り目がつくことも…
まぁそれでも、ちょっとがんばればそれなりに納得のいく結果が得られます。
スキャン結果は連番がついたjpgとなってフォルダにどんどん入っていきます。
pdf変換環境もあるので、pdfに変換して、手持ちのスマホのSDに入れて、
帰りの電車で自炊した本をスマホで読む、というスタイルが実現可能です。
○自炊結果
ゲー○ラボをマイれぐぽんに入れてみた結果。

ちゃんと読めるクオリティで電子化は出来てます。
300dpiで取り込んでいるので、細かいところまではっきり見えます。
ただ、300dpiにすると、pdfの癖にファイルサイズが100MB弱になってしまうので、
店舗で取り込むときに150dpiあたりまで下げるといいかもしれません。
その辺は店舗PCで簡単に調整できます。
○使ってみた感想
まず、100gで100円+裁断料の料金設定は正直高いです。
今回自炊した5冊は本棚の本の1%程度の体積なので、
今日やったので1900円なら、全部やることを考えると約200000円かかることになります。
中古を探せば、自炊の森が持ってるスキャナのひとつも買えそうです。
しかも、自炊の目的のひとつである
「紙媒体の本を電子化して、紙のほうは処分して自室の物理的空き容量を増やす」
を達成しようとすると、裁断してもらった紙媒体の本は
自炊の森に置いていくという選択になるわけですが、これは無償回収になります。
オクで自炊用書籍として売ってる例があることを思うと、余計割高な感があります。
(自炊用書籍の販売も問題はありですが。)
で、冒頭に挙げたとぅぎゃりでも問題ありと指摘されている、裁断済み書籍提供システム。
今回のウチの使い方は、
「自分で著作物の利用料を払った本を私的な利用のために電子化する」を目的に
「それをハイクオリティで行う機材を持っている業者に、機材を貸してもらって電子化した」
これだけなら私的利用の範囲といえなくもない感じですね。
自炊後の書籍は言い方が悪いですが、資源ゴミです。
ゴミを他人の家や土地に勝手に置いていくと問題になりますが、
自炊の森は裁断済みの書籍を「ここに入れてください」と表示した置き場所を設置しているので、
そこに置いていくことには問題ないでしょう。
自分で買った本を持ち込んでスキャンしてるだけなら違法性はなさそうです。
ですが、自炊の森店頭での裁断済み書籍販売は?です。
自炊の森が裁断済み書籍販売についてやってること自体は
「何らか印刷されている紙束を売ってるだけ」
「紙面をスキャンする装置を貸し出しているだけ」
とも取れるので、法的に問題ないのかもしれません。
ですが、紙束と装置を組み合わせた場合に予想される結果であるとか、
著作者が利益を得られる仕組みを与え、更なる著作の意欲を刺激し、文化の振興を促すという
著作権の意義をを考えると、
少なくとも著作者からの申し出なく、著作者へ印税相当のお金が入らないとおかしいように思われます。
絶版本じゃなくて、新刊できたてのコミックが在庫の中心でしたしね。
ただ「おかしいだろ!」という感情を抱くにとどまっており、
自炊の森がやっていることを分けて考えると、問題ないようにも捉えられてしまいます。
ここを捕らえるロジックが法のほうにないんだと思います。
この点、自分でオクで裁断済み書籍販売やって利益を得ても同様の話になっちゃいますね。
…まぁ、法的な話はウチがしてもエントロピーが増大するだけなので、この辺でやめときます。
とりあえず、今回の体験で自炊のやり方とか雰囲気は分かりました。
体験で得た結論としては、違法性とかどうとか以前に、高い。
今後しばらくは紙媒体の書籍も出版され、興味のあるものは購入すると考えると、
ランニングコストがかかりすぎです。
やるとすれば、機材のレベルでは劣るでしょうが自前の自炊環境を整える方向で検討ですねー
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